第24章 "傷探傷法"

(1)浸透探傷試験(JISZ2343)

表面の割れ、き裂などの欠陥を浸透液と現像液を用いて検出する試験で、けい光浸透探傷法と染色浸透探傷法とがあります。いずれの場合も操作は簡単です。まず、試験片の表面に付着している油や汚れを除去し、清浄で乾燥した状態にします。ついで、試験すべき部分の全表面を浸透液槽に浸すか、スプレーやはけで浸透液を塗布します。10〜30分間濡らし浸透液を十分に欠陥部に浸透させた後、付着している液を十分に洗浄液で取り除きます。この面に現像液をむら無く塗り、これを剥がすと薄い膜ができます。割れなどの欠陥があれば毛細管現象によって、浸透液が内部から吸い出され着色しますので容易に判断ができます。

(2)磁粉探傷試験(JISG0565)

この試験方法も浸透探傷法と同様、表面欠陥の検出用です。試験片を磁化させた後、これに磁粉を吸着させ表面の傷や割れを検出する方法です。したがって、非磁性な18−8ステンレス鋼、高Mn鋼などは適用できません。磁化方法には色々なものがありますが、いずれの場合も傷や欠陥と直角方向に磁化させる必要があります。通常は電磁気で試験片を磁化させ、残留磁気によって欠陥部に磁粉を吸着させます。小物部品では永久磁石の極間に試験片を置いて磁化させ、鉄粉をまいて検出することもあります。また、大型部品では磁化させながら鉄粉を付着させ欠陥を検出します。

(3)超音波探傷法(JISZ2344)

超音波を被検面に当てて、その減衰状態あるいは反射波形を観察することによって、内部の欠陥の大きさや位置を検出する方法です。一般には反射波形法が用いられますが、試験条件は被検体の大きさ、形状、欠陥の方向、種類などによって異なるため、適宜設定する必要があります。また、超音波の透過は試験片の結晶粒度や熱処理による硬さの相違によって、影響されますので判定には十分注意をして下さい。

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